日本人の英語力は今や支那人や朝鮮人にも劣る、といった言説がしばしば散見されるが、ネットで実際に支那人や朝鮮人による英文にしばしば接しているので、こうした言説には全く首肯できない。支那人や朝鮮人の英語も大概にド下手糞だ。
支那人の場合、母語である支那語に活用変化が無いので、英語でも時制を無視しがちだし、三単現のsの付け忘れも多い。そして、過去分詞や現在分詞を使うべき所でもしばしば動詞の原形を使ったりする。
朝鮮人の場合、名詞をなんでもかんでも単数形にする傾向が強い。何しろマイクロソフトのWindows(ウィンドウズ)さえも「윈도우(ウィンドウ)」と呼ぶくらいだ。
それに加えて、東洋の言語と西洋の言語では、主語の意味合いが微妙に異なっている。東洋の言語の主語は「主題」であるのに対して、西洋の言語の主語は基本的に「主体」で、客体(=目的語)が主語になる場合は受動態になるので、主題と主体が異なる文章を東洋人が西洋の言語で表現しようとすると、間違った文章になりやすい。
具体的な例を挙げてみる。世界最大のボードゲーム情報サイト「BoardGameGeek」は英文サイトだが、西洋人が作ったゲームだけでなく東洋人が作ったゲームも多数登録されている。しかし、東洋人が作ったゲームは登録されてはいても英文ルールは無いことが多いので、「English rules?」という質問が投稿されることが多い。そして、そうした質問に対してデザイナーなどが「英文ルールは翻訳中です」と返答するつもりで「English rule is translating」という誤った英文で返答することが少なくない。
「英文ルールは翻訳中です」という文章の主語である「英文ルール」は主題だが、主体、すなわちルールを英文に翻訳するという行為の主体はこの場合、「翻訳者」であって、主題とは異なる。更に言えば、主題である「英文ルール」は、主体である翻訳者が作るものなので、どちらかというと目的語に近い。
しかし、東洋人は主題ではなく主体が主語になる西洋の言語に属する英語でも「英文ルール」を主語にしてしまって「English rule is translating」という誤った英文を作ってしまうことが多い。これだと、英文ルール「が」翻訳を行う、という意味になってしまう。
こうした、主題と主体が異なる(≒目的語に近い単語が主題になっている)文章を西洋の言語で作る場合、対処法はふたつ、ある。ひとつは、主体を主語にして「I’m making English rules」(あるいは「We are translating the rules into English」)といった文章にする。もうひとつは、主題を主語にしたまま、受動態にして「The rules are being translated into English」(あるいは「English rules are under translation」)といった文章にする。
ついでに補足すると、主題が主語になる東洋の言語では、書き手・語り手と読み手・聞き手の間で主題が一体何なのかという共通認識が得やすいので、主語が省略されやすい。しかし、西洋の言語でも書き手・語り手と読み手・聞き手の間で主体が一体何なのかという共通認識が得られる場合、やはり主語が省略される。典型的なのが日記。日記というのは基本的に書き手自身の行動を書き記すものなので、英文の日記では主語が「I」の場合、省略することが多い。