亜州卓上戦棋探索始末

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旧ブログから亜州卓上戦棋定点観測のデータ移行が完了したので、この、タダでさえマイナーな趣味である卓上ウォーゲームの、それも日本以外のアジア各地での活動状況を探るという、奇特で誰得な試みの軌跡を振り返ってみることにする。

最初の調査は、BoardGameGeekで始めた。BGGでは掲示板などで書き込んでいる登録ユーザーの名前の下に、好みのゲームやゲーム以外の趣味嗜好などを表すマイクロバッジと呼ばれるアイコンを表示できるようになっている。そして、名前とマイクロバッジの間には、通常、国籍(あるいは現在住んでいる国)を表す国旗のアイコンが表示されるようになっている(わざと隠す設定にしている人もいる)。そして、この国旗のアイコンをクリックすると、同じ国旗を使っている登録ユーザーの一覧が表示されるようになっている。その一覧から、ウォーゲーム関連のマイクロバッジを使っている人を捜してリストを作ってみると、アジアでは香港とシンガポールの登録ユーザーが突出して多かった。

それならば、経済発展著しいアジアの新興国でもウォーゲーマーは今後増えるんじゃないか?と思い、更に詳しくBGGで調べてみることにした。リストアップした登録ユーザー一人一人のプロフィールページの自己紹介文や所有ゲームリストをチェックしたり、アジアの国別掲示板でウォーゲーム関連と思われるスレッドをチェックしたりした。とはいえ、BGGでは基本的に英語が使われているので、この方法では英語が日常的に使われている香港・シンガポール・フィリピンの状況くらいしか把握できなかった。

次に、Googleの検索オプションを利用することにした。Googleの検索オプションでは、特定の言語が使われているページだけを検索対象に指定できるので、この機能で検索対象を絞り、よく売れているウォーゲームのタイトルを検索語に指定して、レビューやリプレイのページを探してみることにした。とはいえ、この方法も問題があった。例えば「Paths of Glory」は元々、映画のタイトルから来ているので、検索結果が映画の紹介ページばかりになってしまった。メーカー名も追加して「gmt paths of glory」で検索しても、GMTがグリニッジ標準時の略称としても使われているので、あまり効果が無かった。同様に、「Twilight Struggle」もケネディの大統領就任演説から来ているので、英語学習のページばかり引っ掛かってしまった。最終的に「遊戲」とか「게임」とか「trò chơi」とか「เกม」とか、検索対象の言語で「ゲーム」を表す単語を追加して、ようやくレビューやリプレイのページが1つ2つ、見つかるようになった。

2009年に、丸10年勤めていた会社を辞めた。最後の2〜3年は徹夜・終電・休日出勤が常態化していた上、辞めた時点で貯金が1000万くらいあったので、もう当分働かねえ!と決めて、それまでにオンラインで発見したアジア各地のウォーゲーマーとオフラインで直接会ってみることにした。そして、その結果を「コマンドマガジン」誌上で「ぶらりゲーマー亞細亞を行く」と題した連載で発表した。偶然にも、台湾で福爾摩莎戰棋社(Formosa Force Games)が設立されて、ウォーゲーム専門誌「戰棋」が創刊されるのとタイミングが一致したため、付録ゲームのルール和訳と日本関連の記事の提供を担当するようになった。

実際にアジア各地のウォーゲーマーと会ってから、お互いの近況がすぐにわかるように、Facebookを使うようになった。そして、日本を含めたアジア各地の卓上ウォーゲーム活動の最新情報を海外に向けて英語で発信するようになり、それはしばしばC3i Ops Centerに転載されるようになった。加えて、「ぶらりゲーマー亞細亞を行く」の連載終了後、2011年からウォーゲーマー専用SNSのMustAttackで専用コミュを作り、日本以外のアジア各地の卓上ウォーゲーム活動の最新情報を3ヶ月毎に提供するようになった。

その後、FacebookとMustAttackだけでは不十分だと思うようになり、新浪微博とNaverのアカウントも取得した。2014年からは日本人向けの情報発信もクローズドなMustAttackで3ヶ月毎ではなくオープンなブログで毎月発信するように変更した。そして2015年の末まで、新しいレビューやリプレイなどを発見すると即座にFacebookと新浪微博で発信して、1ヶ月毎にそれを再編集してブログとNaver Cafeで定点観測と称して発表していた。しかし、1ヶ月に発信する情報が次第に増えてゆき、再編集に毎回少なくとも3時間はかかるようになり、しばしば取りこぼしも発生するようになった。そこで、ウィキの開設を機に、日本人と韓国人向けの定点観測も速報版をウィキに設けて最新情報を逐一追加することにした。これにより、1ヶ月毎の再編集作業が劇的に楽になった。加えて、こういう情報に初めて接する人向けに、2010年以前からの情報も含めた概説も新たに作成した。

RSSリーダーで取得できるような定型化した情報は、ワンクリックで投稿用の形式に加工するスクリプトをPHPで作れんもんかなー、とは思う。が、今のところ、日々の情報発信はそれほど忙しくはなっていない。

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