2008年の2月から世田谷区の明大前に住んでいたが、丁度17年経ったタイミングで今回、江戸川区の葛西に引っ越した。
以前にも書いた通り、明大前に住んでいたのは関西の実家暮らしだった大学生の時に東京で唯一馴染みのあった私鉄が京王だったことが最大の理由だった。
大学卒業後、プログラマーとして働くようになってからも親元で暮らしていたが、2004年で30歳になったのを機に一人暮らしを決意して、翌2005年の4月に河原町のワンルームに引っ越した。大学生の頃から京都に住みたかったのと、始発で座って通勤したいから、というのが理由だった。
しかし、同じ頃に会社が東京に営業所を新設していて、こっちでは技術的な話ができる奴がいないからお前ちょっと来い、とばかりに、2007年の夏に半ばなしくずし的に東京へ転勤になった。
当初は会社が桜新町に用意したワンルームで寝泊まりしていたのだが、田園都市線が朝の通勤時間帯に運休することがあって、歩いて玉川通りにまで出てバスで渋谷に向かったものの、三軒茶屋の辺りからギュウギュウ詰めの状態になってヘトヘトになったので、俺が住みたい所に住むぜ!と、新宿にも渋谷にも出られる明大前のアパートを探して、河原町に残していた一切合切を単身引っ越しを使って移送した。
それから1年余り経って会社を辞めることになったのだが、関西に戻ることはなく、ズルズルと明大前に住み続けてきた。
渋谷・新宿・吉祥寺、高尾・下北・八王子、どれも乗り換え無しで安く行けるのは便利だったが、逆にそれ以外の場所は池袋ですら仕事以外では滅多に行かなくなってしまった。関西で暮らしていた頃の方が東京での短期滞在中はあちこち回っていたのに。
また、京王線の高架工事に伴って、ここ10年程の間に相当数の店が更地になってしまった。加えて、実は明大前は駅周辺にデカいスーパーが無い。ミニスーパーばかりで何軒もハシゴしなければならず、それでも下北のダイエーと比べれば品揃えは大幅に劣る。
何だか鉄道会社に囲い込まれてしまっているなぁ、と、ここ数年は思うようになり、このまま明大前に住み続けるべきなのか?と思うようになったタイミングで、大家さんが高齢で引退して、後を引き継いだ不動産屋が建て替えを通告してきた。
もっと23区内での行動範囲を拡げたければ、メトロの沿線に住むべきだし、加えてJRの京浜東北線よりも東であれば、地面が平らなので自転車でも移動しやすい。
かくして、引っ越し先は東西線の葛西駅前ということになった。東西線は今迄の所、片手で数える程度しか乗ったことが無い上に、西船橋から中野まで乗り換え無しで行けてJRとも乗り入れしているし、副都心線を除いてメトロの他の路線とも全て乗り換えできる。欲を言えば門前仲町の方が都営線も通っていて更に良いのだが、家賃相場が1万円程高く、今の収入ではやや苦しい。
同じ23区内ではあるものの、都心部を挟んで環七の西の方から東の方へと周辺の環境は大きく変わることになるが、新居は今迄と同様に2階の南向きのフローリングで、しかも3平米程広くなってベランダもある(旧居は出窓だった)。それでいて家賃は3000円以上安くなっている。
旧居は建て替えによる取り壊し予定ということで、元々廃棄するつもりだった古い電化製品は置き去りにしても問題無かったのでタダで処分できたし、退去時のクリーニング代も一切かからなかったし、新居の契約金と引っ越し代を差し引いても結構な額の立ち退き料が残ったし、久々にフトコロの余裕が生じた。
少なくとも高架工事が完了するまでは、京王沿線に戻るつもりは無い。二回連続で外部的な要因による引っ越しになってしまったけれど、50歳、そして親元を離れて丁度20年の節目でのこの転機は、果たして吉と出るか凶と出るか。